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書面添付で調査を回避できるか?

 書面添付で調査を回避できるか?

 書面添付制度とは

  •  どのような手続きですか?
      申告書を税務署に提出する際、一定の様式に必要なことを具体的に記載してある書面が添付してあれば、税務調査を受けることになった場合、税理士に意見陳述の機会が与えられます。

    <必要なことを具体的に記載>

    •  申告に当たって計算整理したことや納税者から相談を受けたことなどについて、項目欄ごとに具体的に書きます。
    •  調査の際ポイントとなりそうなことなど重要な事項について詳しく書くことが大切です。
  •  書面を添付した効果は?
      税務署が税理士から意見を聴取して疑問点が解消すれば、実地調査の省略もあり得ます。
      実地調査が省略されれば、納税者の負担が大きく軽減されることは言うまでもありません。

<事務運営指針(国税庁)>

意見聴取結果の税理士等への連絡
  意見聴取を行った結果、調査の必要がないと認められた場合には、税理士等に対し「現時点では調査に移行しない」旨の連絡を、原則として意見聴取結果についてのお知らせにより行う。
 ・・・・以下省略・・・・


 書面添付で調査がなくなるわけではないが・・・

  •  書面添付があれば、実地調査の前に税理士から意見を聴取する手続きを踏まなければならないということで、調査しないということではありません。
  •  事前通知をしない調査の場合には、意見聴取は行われません。
    (通知せずに行こうとしているのに税理士から意見を聞いたりできませんよね。)

 書面添付を税務職員は嫌がる

 書面添付は、税務署の立場からみると、(語弊がありかもしれませんが)ちょっと''やっかい'’です。
 ① 日程調整が面倒
 ② 税理士がきちんとチェックしているかもしれない
 などと考えるからです。

 何だそんなことか、大したことを考えていないな! そんなことがやっかいな理由なの? と思いますよね。

 でも、税務署はそんなところです。

  •   税務職員は無駄なく調査日程を組みたいと考えています。事前通知をして、すんなり調査日程が組めるのはまれです。
     意見聴取の日程を調整して、更にその結果次第で実地調査の日程も調整するというのは相当に面倒な作業になります。
  •  税務職員は、「実地調査をした場合には、何らかの税金を追徴する。」という使命感を持っています。
     書面添付があると、「税理士がきちんとみているかもしれないので、追徴金がないかもしれない。」と考えます。追徴金がないことを、普通の税務職員なら極端に嫌がります。

 このような意味で、書面添付はやっかいなのです。

 書面添付の信頼性は税理士次第

 書面添付の効果は常に同じかといえば、そうではありません。書面の記載内容などがその信頼性を大きく左右します。

 更に言えば、税理士によってその信頼性が大きく異なります。

 実際に、書面添付をしていればほとんど調査がない税理士がいる一方、書面添付に関係なく盛んに調査を受ける税理士もいます。

 もちろん、税理士の信頼性=調査頻度 ではないかもしれませんが、無関係ではないでしょう。

 例えば、次のような書面が提出されたら、税務署は「この税理士は信頼できない。」と判断するのではないでしょうか。

  •  書面の記載内容がどの会社も同じ
  •  書面の記載が定型的で現実味がない。

 経営者とはもちろんですが、現場責任者や経理担当者とも十分な意見交換ができている税理士なら、その書面は臨場感のあるものになっているはずです。

 私が信頼するある税理士が、「現場で首にタオルを巻いて仕事をしている従業員の姿が見えるようでなけりゃあダメよ。」と言っていましたが、まさにその通りだと思います。

 帳簿の内容を十分に確認をせず、納税者と普段のコミュニケーションもできていない税理士が書面を添付しても、それは十分なものであるはずがありません。

書面添付の効果を最大限発揮できる税理士は限られている!

 これが現実です。


 書面添付制度の概要(日本税理士会連合会)

少し専門的な内容です。興味のある方だけお読みください。

 新書面添付制度とは、税理士法(以下「法」という)第33条の2に規定する書面添付制度と法第35条に規定する意見聴取制度を総称したもので、平成13年の税理士法改正において事前通知前の意見聴取制度が創設され、その存在意義を飛躍的に拡充したうえで、新たにスタートしました。

 事前通知前の意見聴取制度では、法第30条に規定する税務代理権限証書と法第33条の2に規定する書面を添付した申告書を提出しているという二つの条件を満たしている場合、調査の通知前に、税務代理権限証書を提出している税理士に、添付書面に記載された事項に関する意見を述べる機会を与えなければならないこととされました。

 書面添付

 税理士だけに認められた権利で、関与形態の違いにより次の二つに区分されます。

(1) 税理士又は税理士法人自らが申告書を作成した場合(法第33条の21)その申告書の作成に関して、計算・整理し、又は相談に応じた事項を記載した書面を、当該申告書に添付することができます。

(2) 税理士又は税理士法人が、他人の作成した申告書につき相談を受けて審査した場合(法第33条の22)当該申告書が法令の規定に従って作成されていると認めたときは、その審査した事項及び法令の規定に従って作成されている旨を記載した書面を、当該申告書に添付することができます。

 意見聴取

 法第35条に規定する意見聴取制度は次の三つに区分され、今般、下記(1)事前通知前の意見聴取制度が創設されたことによって大きく拡充されました。

(1) 事前通知前の意見聴取
(2) 更正処分前の意見聴取
(3) 不服申立てに係る調査の意見聴取

 新書面添付制度の活用によって実地調査の省略や効率化が図られることになれば、関与先納税者の負担軽減になるとともに、関与先に対して税理士の存在意義をより明確に表すことになります。

 したがって、新書面添付制度の活用は、税理士の社会的評価の向上に大きな意味を持ち、信頼される税理士制度確立のための大きな手段となります。

 なお、書面を添付するかどうか、またその書面にどのように記載するかは税理士自身が判断することになりますが、納税者との信頼関係を考慮すれば納税者の理解を求めておくことも大切です。

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