広島県廿日市市の税理士です。税務調査、法人税、消費税、相続税、相続対策・事業承継、節税対策、保険の活用

軽減税率の導入は慎重に

軽減税率の導入は慎重に


軽減税率は問題のある制度

  • J爺 : 消費税の軽減税率がどういう決着をするんか心配じゃのう。
  • K君 : 消費税が10%になったときに軽減税率が導入されるんですよね。
  • J爺 : 10%になったと同時に軽減税率が入るわけではないじゃろうが、そもそも、わしは軽減税率には反対なんじゃ。軽減税率を入れても、何もええことがない。まさに「耳ざわりがいいだけの制度」じゃ。
  • K君 : そんなに軽減税率は問題なのですか。

 軽減税率反対の意見

  • J爺 : 軽減税率導入の反対意見は、次のようなものじゃ。
  1.  税収が減少し、生活必需品以外の税率がより高くなる可能性がある。
  2.  軽減税率の線引きが難しい。
  3.  事業者の事務負担が増える。
  4.  生活必需品は高所得者も購入するので、低所得者対策にならない。
  5.  軽減税率適用に際して利権が発生する。
  • K君 : 具体的にはどのようなことでしょうか。
  • J爺 : 与党が作成した税制協議会の資料を読めば、多くの問題点があることがわかる。
  • J爺 : 今回はその一部しか紹介できんが、この制度を導入したら皆が本当に困ることを知らにゃあいけんと思うで。一旦、軽減税率を導入すれば後戻りはできん。

 税収減、生活必需品以外の税率がより高くなる

  • J爺 : 仮に、全ての食料品を軽減税率の対象にしたら、1%あたりの税収減は6,600億円という試算になっておる。

1%あたりの税収減

「消費税の軽減税率の検討(与党税制協議会)」より

  • K君 : 2%なら1兆3,200億円、5%なら3兆3,000億円ですか。
  • J爺 : それでなくても社会保障の財源が不足している中で、軽減税率を導入したときの消費税率は、軽減税率を導入しない場合の税率より当然に高くなる。
  • J爺 : 全ての食料品を軽減税率の対象品目にするのではなく、例えば「酒」や「外食」を対象外にする、「米、みそ、しょうゆ」以外は対象外とする、「精米」以外を対象外にするなどの案もある。
  • K君 : 精米だけを対象にするのなら、1%あたり200億円の税収減になっていますね。
  • J爺 : どの品目を対象にするかで、1%あたり6,600億円から200億円までの差がある。

 線引きが難しい

  • J爺 : 税制協議会の資料では、8種のシュミレーションを掲載・検討している。
  1.  全ての食料品を対象にした場合
  2.  全ての食料品から酒を除いた場合
  3.  全ての食料品から酒と外食を除いた場合
  4.  全ての食料品から酒、外食、菓子類を除いた場合
  5.  全ての食料品から酒、外食、菓子類、飲料を除いた場合
  6.  全ての食料品から酒、外食、菓子類、飲料、その他の加工食品(=生鮮食品)を除いた場合
  7.  米、みそ、しょうゆ だけ
  8.  精米 だけ

 全ての食料品を対象品目にした場合

〇 加工などによって飲食料品となるが、そのままでは食用に適さないものはどうするか。

  1.  牛、豚、鶏などの動物そのものは飲食料品か。例えば、子牛→成牛→枝肉→精肉という段階を経る牛は、どの段階から飲食料品とするのか。例えば、乳牛や馬は、どう扱うべきか。
  2. 青梅、サトウキビ、コンニャク芋など、加工すれば食用となるがそのままでは食用に適さないものをどう扱うべきか。

〇 用途によって食用と非食用があるものは、どう扱うか。

  1. 観賞用と食用(ハーブ、しそ等)、・ 栽培用と食用(たねいも等)
  2. 肥料・飼料用と食用(飼料用米と食用米、おから、いわし等)

〇 飲食料品かどうか不明確なもの

  1. サプリメント
  2. 水道水(飲用可能であるが、そのほとんどは生活用水として使われる。)

〇 飲食料品とその他の物品との組み合わせ商品の適用税率、課税方法の問題

  1. 輪島塗や有田焼などの高級容器に入った食品(おせち料理、ふりかけ等)
  2. 飲食料品とそれ以外の物品が一緒に包装されている商品(ティーポットと紅茶、コーヒーメーカーとコーヒー豆、福袋(食品と台所用品等)、花とお菓子が入った母の日ギフト等)

〇 外食と他のサービスとの組み合わせ商品の適用税率、課税方法の問題
飲食料品の提供以外の付加価値部分が大きいものをどう取り扱うか。

  1. ディナーショー・ナイトクラブ 、 ドリンク付きコンサート
  2. 旅館の宿泊代(食事付き)、 まかない付きの寮費


 酒を除く場合

〇 「アルコールが含まれている飲料」と定義した場合

  1.  調味料として使用される料理酒、みりん、料理用ワインは「酒」か
  2.  酒粕、粉末酒は「酒」か
  3.  ウイスキーボンボンや日本酒ゼリーなど酒を使用した加工品は「酒」か

〇 「酒税法における酒類」と定義した場合

  1.  「本みりん」は「酒」
  2.  料理酒(一定の塩又は酢が添加されたもの)、アルコール度数1度未満は酒ではない。
  3.  酒粕は「酒」ではなく、粉末酒は「酒」
  4.  ウイスキーボンボンや日本酒ゼリーなど酒を使用した加工品は「酒」ではない。

〇 居酒屋で、酒(標準税率)とソフトドリンク(軽減税率)がまざって、「飲み放題メニュー」となっている場合に、
適用税率をどうするか。

 外食を除く場合

〇 外食と持ち帰り

  1. テイクアウト、出前、ケータリング、イートインは「外食」にあたるか。
  2. 同じ店舗で販売する場合であっても、店舗内で食べるハンバーガー(イートイン)は標準税率、持ち帰り用のハンバーガー(テイクアウト)は軽減税率となるのか。
  3. 弁当の販売は、「外食」にあたることになるか。
  4. 総菜(コロッケ、焼き鳥、ポテトサラダ)や調理パンの販売も「外食」にあたることになるか。
  5. 刺身の盛り合わせはすぐに食べられるように調理されているが、「外食」にあたることになるか。
  6. 給食は「外食」にあたるか。

 菓子類を除くとした場合

〇 菓子類の定義は何か

  1. ドライフルーツや果物の缶詰などの果物加工品は「菓子類」か。
  2. ホットケーキミックス、プリンの素など、菓子の原料となるものは「菓子類」か。
  3. さきいかやサラミなどいわゆる「乾き物」は「菓子類」か。
  4. 健康保持や栄養摂取を目的とするクッキーやゼリーは「菓子類」か。
  5. 砂糖やはちみつそのものは「菓子類」か。
  6. クリームパン、カップラーメン、フライドポテト、ミートパイ、中華まん、焼き芋、甘栗、ヨーグルトなどは菓子類か。

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